「無肥料栽培を実現する③」
(
無肥料栽培を実現する②より続く)
畑の大改造が始まる。知恵は昔にある。年寄りから若者へ。そして山→畑→街へ。
水は山から流れ落ちて人々の生活の中に入り込む。そして生活用水となって川に流れ、海に行き、空に昇って山に戻る。
汚れた水は浄化されて、その汚泥は生き物の栄養となる。
空気も山で作られ、街に降りてきて人々に酸素を提供する。空気は空に昇って山に戻り、植物が身体を作るために利用する。
汚れた空気は地上に不純物を落とし、その不純物をバクテリアや有機物、地下水などが浄化する。
光は山に降り注ぎ、光合成を起こして植物に元素を与え続け、植物の身体を作る。光は街にも降り注ぎ、人々の身体を健康にし、植物や水や空気の循環に寄与する。
何一つ無駄なものはなく、循環している。
街路樹の循環の仕組みを調べる。
街路樹は光合成をして、糖を作りバクテリアを育てる。バクテリアは植物に元素を運び込む。光合成で作られた炭水化物は、土の元素と合わさって街路樹の身体を作る。街路樹は身体を作りながら、老廃物を出して土に元素を与える。完全なる循環。
畑の中で草を循環させる。畑の中だけで生まれた物を戻すなどという限定的なものではなく、山の恵みをいただく。
空気も水も光も、地上と地下との循環を取り戻す。虫も循環の中にもう一度取り戻す。植物を生かしてきた物全てを、畑の中に取り戻す。
ひたすらその作業を繰り返す。循環を奪ってしまった事に深く反省し、ひたすら循環の輪を見つめて、取り戻す事に終始する。窒素も炭素も水素も酸素も、全ての循環を取り戻す。昔の人がやっていたように。
空気と光と水、そして草と虫。それが無肥料栽培の基本であり、自然栽培でも自然農法でもない、最も自然の循環に近い方法である。資材も使わず、何も買わないで、そこにある物の意味と役割を知ること。ただそれだけに集中する。
無肥料栽培を実現するためには、自然の摂理と循環を知る事だろう。それはイメージとしてではなく、科学として知るべきだろう。
それが人間に与えられた知恵だから。つまりは知恵の循環なのである。
#山の恵み #街路樹 #光合成 #元素 #植物