[imagelink] 「根の生育環境」
ネコブセンチュウがトマトの根に寄生すると、根としての正常な活動ができなくなり、トマトは栄養や水を得る事なく、生育不良や立ち枯れが起きる。
センチュウというのは小さな細い虫で、土壌中に存在し、宿主生物を見つけると個体数を増やす。一旦増えてしまうと、減るには大変長い時間がかかるため、連作は不可能となる。
何かのトラブルが起きていたのは分かってはいたが、作物の成長不良や病気は、大概、土の中で起きている。元々キク科の雑草が多い土地だったが、草刈りでキク科を減らしたのが原因だろう。
確かに、葉や茎も虫食いや病気に曝されるが、ちょっとした虫食いなど、遊んだ後のすり傷みたいなものだし、カビにやられても、風邪をひいた程度の事で、慌てる必要はない。
だが、根は違う。根をやられると、植物はいきなり元気がなくなり、生気を失う。葉や茎や花や実に症状が現れ、植物は次第に枯れてゆく。一見青々しく見えても、たった1日で萎れていくのである。
植物は地上部は子孫を残すための生殖機能が主であり、生体活動のほとんどは根で行っている。栄養や水を吸収するのも、微生物に餌を与えるのも、成長ホルモンを生成するのも、植物内で行われる化学反応に必要なカリウムも根から供給される。触覚となる目や鼻も根だとさえ言われる。
根を取り巻く環境が悪ければ、根が活動を出来なくなる。土の中の水環境、空気、そして光。さらには土壌動物や微生物、菌類。これらの環境が大切であり、植物は土の中が生活圏内とさせ言えるわけだ。
人には土は作れない。だから土作りが大切というのは、つまりは土壌中の環境を整えてあげる事である。土壌環境が悪ければ、植物を強制的に育てあげるしかない。無理矢理、成長ホルモンを出させるとか、資材としての菌類を与えるとか、もちろん肥料を与えるとか。
植物は自然のままに育てるのがいい。ただ、人の手によってその環境を壊してしまっているのだから、やはり人の手によって何らかの対策は打つべきだ。健やかに育てたいと思うのならば。
今回、酸性の酢を撒いてみた。そしてカリウム、マグネシウム、カリシウムを含むもみ殻くん炭を撒いて水環境や空気環境を良くし、豆を栽培する事で環境を整える。これは農薬などの対処療法とは一線を画す。そこに春になったらマリーゴールドを植えて根本治療をしてみようと思う。
人とて同じ話、生きる環境が大事である。植物の根は、人の心と身体を併せ持つ器官だと思えばいい。心を取り巻く環境が悪い。経済優先社会が心を壊し、大量生産型の食が身体を壊していく。この環境が悪ければ、生気を失い病に倒れていく。
生きる環境を整える。難しいようではあるが、より自然な環境を作ればいいだけの事だ。忙しない都会と、不自然な仕事から離れ、自然に囲まれた中で、人らしい生き方をしてみるのも一つの選択肢だと思う。
さて、めげずに頑張ろうかね。
※写真はネコブセンチュウに浸入されたと思われるトマトの根。
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