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「キャベツと青虫」
アブラナ科の作物はグルコシノレート(ゴイトロゲン)という毒がある。人間などの動物は大量に食べない限りは影響は少ないが(甲状腺障害が出ると言われているが定かではない)、アブラナ科、特にキャベツやブロッコリーが持つ生物毒は色々あり、その毒性によって虫からの被害を防いでいる。そのアブラナ科の毒性に耐性を持ったのが青虫である。
キャベツなどの野菜は、青虫に食べられる事で栄養補給をしているという事実は面白い。青虫が葉を食べ、糞をすることで、キャベツは自らの葉っぱの中のリン酸を青虫の糞の中に溜め込まさせ、それを地上に落として補給する。
それだけでも十分面白い話しだが、この青虫に葉を食わせるために、キャベツやブロッコリーは、外側の葉を広げるように寝かして、青虫が這い回りやすい様に工夫する。更には寝た葉は虫にとっては毒性ともなる植物ホルモンのプラシノステロイドの分泌を抑制しているのではないかと僕は考えている。
プラシノステロイドは、葉の伸長成長、細胞分裂、分化などの作用があるが、この植物ホルモンは、葉が寝ている状態では、立っている状態や若い成長途中の葉よりも、ぐっと少ないのではないだろうか。つまり、外の葉は、横に寝ることでこのホルモンを抑制し、わざわざ青虫が食べやすいように工夫しているのだと思うのだ。
あくまでも仮説ではあるが、アブラナ科のキャベツやブロッコリーはこうした工夫により成長し、かつ、若い葉や立った葉は青虫に食べられないような状態を保ち、種(しゅ)の保存のための成長点を守り続けているのであろう。なんとも凄い仕組みだ。
だからこそ、外側の葉は写真のプランターのキャベツのように激しく虫食いに遭うが、中心は虫食いなく成長していく。更には固く巻き始めることで、青虫が中に侵食して、花を咲かせる成長点を食べられないように防御しているのである。
しかし、出来るだけ柔らかく大きいキャベツを作るため人間が品種改良を繰り返した結果、青虫は成長点まで潜り込むようになり、植物が本来持つ防御能力をも弱らせて、放っておけば虫食いだらけになるキャベツに改悪してきた。そして、少しの虫食いも嫌う人間は、農薬によって青虫を追い払った。
どうせ人間は、外側の葉は固くて食べないのだから、青虫に食わせてやってもいいじゃないか。それにより無肥料で野菜が育つというのであれば、その位の度量が必要ではないかと僕は思うのだが、違うだろうか。
※写真は、広島の無肥料栽培セミナー用のプランター。
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青虫とキャベツ|象牙の塔の住人 無肥料栽培家 岡本よりたか
2015年 閑話休題 青虫とキャベツ 2015-12-23 11:36:13 テーマ: 栽培 [imagelink] <span>「キャベツと青虫」 アブラナ科の作物はグルコシノレート(ゴイトロゲン)という毒がある。人間などの動物は大量に食べない限りは影響は少ないが(甲状腺障害が出ると言われているが定かではない)、アブラナ科、特にキャベツやブロッコリーが持つ生物毒は色々あり、その毒性によって虫からの被害を防いでいる。そのアブラナ科の毒性に耐性を持ったのが青虫である。 キャベツなどの野菜は、青虫に食べられる事で栄養補給をしているという事実は面白い。青虫が葉を食べ、糞をすることで、キャベツは自らの葉っぱの中のリン酸を青虫の糞の中に溜め込まさせ、それを地上に落として補給する。 それだけでも十分面白い話しだが、この青虫に葉を食わせるために、キャベツやブロッコリーは、外側の葉を広げるように寝かして、青虫が這い回りやすい様に工夫する。更には寝た葉は虫にとっては毒性ともなる植物ホルモンのプラシノステロイドの分泌を抑制しているのではないかと僕は考えている。 プラシノステロイドは、葉の伸長成長、細胞分裂、分化などの作用があるが、この植物ホルモンは、葉が寝ている状態では、立っている状態や若い成長途中の葉よりも、ぐっと少ないのではないだろうか。つまり、外の葉は、横に寝ることでこのホルモンを抑制し、わざわざ青虫が食べやすいように工夫しているのだと思うのだ。 あくまでも仮説ではあるが、アブラナ科のキャベツやブロッコリーはこうした工夫により成長し、かつ、若い葉や立った葉は青虫に食べられないような状態を保ち、種(しゅ)の保存のための成長点を守り続けているのであろう。なんとも凄い仕組みだ。 だからこそ、外側の葉は写真のプランターのキャベツのように激しく虫食いに遭うが、中心は虫食いなく成長していく。更には固く巻き始めることで、青虫が中に侵食して、花を咲かせる成長点を食べられないように防御しているのである。 しかし、出来るだけ柔らかく大きいキャベツを作るため人間が品種改良を繰り返した結果、青虫は成長点まで潜り込むようになり、植物が本来持つ防御能力をも弱らせて、放っておけば虫食いだらけになるキャベツに改悪してきた。そして、少しの虫食いも嫌う人間は、農薬によって青虫を追い払った。 どうせ人間は、外側の葉は固くて食べないのだから、青虫に食わせてやってもいいじゃないか。それにより無肥料で野菜が育つというのであれば、その位の度量が必要ではないかと僕は思うのだが、違うだろうか。 ※写真は、広島の無肥料栽培セミナー用のプランター。 いいね! リブログする


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