[imagelink] 「酸度」
酸度が5を切りそうな様子の圃場。化学肥料と化学農薬を使い、それが抜けてきた時に起こる禁断症状なんだよね。
草の様子で一目でわかる。アカザ、メヒシバ、アレチノグサばかりが目立つ草勢で、背が高くなる草が多い。案の定、酸性土壌。
酸性雨が降る日本は酸性土壌が多く、野菜は弱酸性〜弱アルカリ性じゃないと成長が悪い。リン酸などの吸収が活性しないからだ。
酸度が5を切ると、さすがに幾ら何でも栽培は難しい。草に多様性があれば6から6.5は通常はあるものだけど、やっはり化学肥料は困ったものだ。苦土石灰が手放せなくなるのも致し方ない。
しかし、この石灰が曲者で、雨で流れ出した石灰は硬盤層にしみ込み、土をコンクリートのように固める。こうした畑では、どうにも野菜が育たない。
どうするか思案してみたが、既に野菜が育ってしまったので、今更、土の再生のために耕運も出来ない。
で、一考してみた。土をアルカリ性に寄せる草を生やしてみる。いや、来年までには変わるだろうがとても間に合わない(笑)。
草木灰を作り土に混ぜ込む。んー、野菜の植え付け前なら効果的だが、もう無理な状態。
灰を野菜の周りに撒いて、部分的な改造を施す。効果はあるだろうが、雨で染み込んでからジワジワ効いてくるので、遅効性過ぎて実験にはならず、次に活かせないかな。でもやる価値はある。
で、結局こうする。灰を水に混ぜる。灰に含まれるマグネシウムやカルシウムは水溶性ではないだろう。だが、炭酸カリウムは水溶性ではないだろうか。灰を水に混ぜて上澄みを撒けば炭酸カリウムの効果でアルカリ性に少し寄るのではないだろうか。
という推測をして撒いてみたのが、実は今から8年前(笑)。当時はちゃんと効果が確認できたので、今でも糠、油粕、草木灰で液肥を作る方法はたまにやってみたりする。有機栽培に近いといえば近いが。
よし、この圃場の作物にも草木灰を使ってみることにしよう。セミナーではたまにやってみるが、自分の畑でやるのは8年ぶりかな…。