前回の投稿で基本3000語の話をしました。 じゃあその後、英語学習者の場合はどれくらいボキャビルすれば良いかって話をします。 ネイティブと同じだけ2−3万語覚えましょうなんて、非現実的だし、英語以外の外国語が取得できなくなってしまいます。
実は、Paul Nation (2006) 研究成果がこの分野でのスタンダードになっています。 BNC (British National Corpus) 頻出9000語 (Word Family換算) 知ってれば、報道や小説の英文に使われている単語の98%をカバーでき、残り2%の内容も周囲の情報から類推できるそうです。
実際にいろいろな小説や雑誌の分析した人がいて、頻出ー万語もあれば実際の英文の98%の単語は理解できるようです。
9000語なら、一日20語で1年半くらい覚えられるので現実的な量でしょう。
BNC の頻出語句のリストは簡単に手に入るのですが、リストだけだと意味が分からないのでボキャビルには非常に使いにくいのです。 SVL は、BNC に準拠していますがの場合は SVL 7 以降乖離が大きくなります。 日本の大学受験、英語検定とか資格取得のための補正なのだとおもいますが、そのまま使うには気が引けます。
自分の場合は、Cobuild の旧版の頻度表示に従ってこの9000語相当の単語を覚えました。 確かに効果絶大です。古典文学を除けば、メディアや最新の小説で不明な単語はほとんどなくなるし、あったとしても前後のパラグラフの内容から意味が掴めるようになります。
頻出リストの入手のしにくさから、この9000語ボキャビル人に勧めにくかったんです。
ボキャビル用辞書の決定版が出ました。Longman の学習英英辞典最新版の3冊です。 はじめに取り上げた Nation (2006) の論文に準拠した頻度表示を行っています。
この辞書の頻度表示を頼りにすれば、頻出9000語を覚えることが可能です。 コーパスの頻度表と辞書をつき合わせて覚える手間が省けて何とも羨ましい限りです。
かかった時間は400時間、覚えた単語は6000語です。
語彙量診断サイトTest Your Vocabをつかって、定期的に評価測定したところ、17,000 wordsまで伸ばすことが出来ました。
条件さえ揃えば、9000語計画的に確実に覚えることが出来ます。
出現頻度の低い単語より、自分の読む分野で特異的に高頻度に出現する単語を覚えていった方が効果的です。
この先のボキャビルは、本や雑誌を読んでその都度知らない単語を記憶していくことになるでしょう。
Nation, I.S.P. How large a vocabulary is needed for reading and listening? Canadian Modern Language Review 63, 1 (2006): 59-82.
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